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小皿に入った生薬

中医学について

TRADITIONAL CHINESE MEDICINE

中医学とは

八角などの素材

中医学とは、数千年に及ぶ臨床経験と疾病に対する研究に裏打ちされた独特の理論体系を有する学問であり、中国の伝統医学です。日本に伝わった中医学が変化したものを漢方と言い、現在の日本では中医学も俗に「漢方」と呼ばれることが多いようです。

中医学は「整体観念」「弁証論治」「未病先防」を三本柱としています。「整体観念」とは人体を自然の一部と捉え、全体的な調和が整うことを「健康」と考える「バランス医学」的な考え方です。「弁証論治」とは個々の体質を見極め、その状態にあった治し方を選択するという「オーダーメイド医療」的な考え方です。「未病先防」とは病名がつく状態になってしまう前に体調を改善し、病気にならない体づくりを目指す「予防医学」的な考え方です。このように中医学の基本的な考え方は現代の医学とも通じるところがあります。

​漢方薬の種類

漢方薬には大きく分けてエキス剤、丸剤、散剤、湯剤(煎じ薬)、膏剤などがあります。

漢方薬

エキス剤

有効成分を煮出した薬液を濃縮し、賦形剤を加えて乾燥させ粉末~顆粒にしたものです。携帯・貯蔵・服用に便利で、日本ではこの剤形がよく使われています。

丸剤

薬物の細粉を水や蜂蜜、米糊などで球状にしたものです。服用後に緩徐に吸収されて薬効が持続し、用量も少なくて済み、携帯・保存に便利な剤形です。

散剤

薬物を細粉にして混合したものです。製造しやすく保存・携帯にも便利ですが、水やお湯に溶けにくく服用しにくい、成分が揮発しやすいといった欠点もあります。内服用だけでなく外用の散剤もあります。

煎じ薬

薬物を水などで煮出した後、残渣を除いた液を服用します。中医学では最も一般的な剤形で、吸収がよく効果も速く、薬力も十分に得られますが、携帯には不便です。

膏剤

薬物を煎じて濃縮したうえ、基質などを変えて常温で固体・半固体・半流動体を呈する膏にしたものです。高濃度で腐敗しにくく、携帯にも便利です。内服用のものと外用のものがあり、軟膏は外用膏の一種です。

よくある質問

漢方薬は妊娠中でも安全ですか?

おすすめする漢方は、個別の相談内容をもとに、安全性の高いものをお選びします。妊娠が判明した場合には、適宜「このお薬はお休みした方が良いでしょう」といったご案内も行います。漢方薬には「安胎薬」と呼ばれる妊娠を安定させて流産予防や貧血予防に用いられるものもあります。

不妊治療に使われる漢方薬はどれくらいで効果が出ますか?

個々の体質や状態により異なるため、一概に「この期間で効果が出ます」とは言えません。一般的には卵巣内で卵子が成長する期間などの要因も考え、3か月~6か月程度はかかることが多いです。

漢方薬は苦くて飲みにくくないですか?

漢方薬のにおいや味に抵抗がある方は実際にいらっしゃいます。丸剤・錠剤タイプやシロップタイプのものもありますのでご相談ください。

漢方薬は病院のお薬と一緒に服用できますか?

服用中のお薬を事前にお知らせください。お薬にもよりますが、基本的には漢方薬を飲みながら病院での治療も可能です。病院での検査結果をもとに、より適切な漢方薬を選択することもできるため、受診をお勧めすることもあります。

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